1,721人が参加「日本さばけるアカデミー2022」魚の調理を通じ、海の環境や食文化を伝えよう

日本さばけるプロジェクト実行委員会は2022年3月19日(土)、日本中で「魚さばき」を教える講師の方々を対象に、技術の向上や講座の充実につながる学びの場として「日本さばけるアカデミー2022」をオンラインにて開催しました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

アーカイブ動画(全2時間10分)

【日本さばけるアカデミー2022】イベント概要

・開催概要  
「魚さばき」を教える講師を対象に、技術の向上や講座の充実につながる学びの場を提供。東京のスタジオおよび全国7か所から、オンラインにて開催。
1時間目 「基本のアジのさばき方」教え方講座
2時間目 さばける塾で伝えたい!「海の生態系と環境」
3時間目 お坊さんが教える「海とつながるいただきます」
4時間目 「海と食のトークセッション」
・開催日時  2022年3月19日(土)10時00分~12時20分
・視聴者数  1,721名
・主催    日本さばけるプロジェクト実行委員会
・共催    ⽇本財団 海と⽇本プロジェクト

【1時間目】「基本のアジのさばき方」教え方講座

講師:服部栄養専門学校・日本料理講師 西澤辰男 氏

全国で開催する「日本さばける塾」で基本技術習得のために共通実施する「アジのさばき方」の「より良い教え方」を、YouTube「さばけるチャンネル」開設当初からさばき手として出演する西澤先生が講義しました。西澤先生は、今年度YouTube公開した「鯵〜入門編〜」(https://www.youtube.com/watch?v=DQxBMW3vcBY)を上映しつつ、教え方のポイントについて丁寧に解説。初心者向けの重要ポイントとして立ち位置を挙げ、「まな板の正面に立ってしまう方が多いが、まな板から外れて立った方が包丁を動かしやすい。右利きの方であれば、まな板に対して左側に立っていただくようレクチャーを」と語りました。また、「魚をさばいて食べると、より一層想いが湧くので美味しくいただけるようになる。ぜひさばける人を増やしていきましょう。」と、全国のさばける講師のみなさんにエールを送りました。

【2時間目】「さばける塾で伝えたい!海の生態系と環境」

講師:NPO法人ディスカバーブルー代表・環境学博士 水井涼太 氏

「日本さばける塾」では、魚をさばく技術の伝承と共に、海で起こっている様々な問題について伝える「海の学び」の座学や体験に力を入れています。2時間目の講師 水井先生からは、海の自然と環境問題、海の生物や生態系について教えていただきました。こういった海の基礎知識を学ぶ機会はめったにないことから、コメント欄には参加者から「非常に勉強になった」「学校でも教えてほしい」との意見が寄せられました。

【3時間目】「お坊さんが教える 海とつながる ”いただきます” 」 

講師:湯島山緑泉寺住職・料理僧 青江 覚峰 氏

「日本さばける塾」では、「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶を大切にしています。3時間目は、料理僧の青江先生から「いただきます」の意味についてお話しいただきました。海で泳いでいたお魚は、漁師さんや魚市場の方、魚屋さんなどの多くの方々の手を経て、私たちの元にたどり着きます。しかし、食卓で私たちは、海や、関わってくださった方々の顔を想像することはありません。青江先生は「目の前の食事と海がどう繋がっているか、まず想像してみることが大切。お魚への命への感謝、それを育む海への感謝、そして関わってくださった人への感謝を込める言葉として『いただきます』を言いましょう」と語りました。

【4時間目】「海と食のトークセッション」 

スタジオゲスト:株式会社ウオ―代表取締役・水産庁水産政策審議会委員 中川めぐみ さん
スタジオゲスト:株式会社フーディソン sakana bacca豪徳寺 店長 岡部拓也 さん
発表者:全国7か所の「日本さばける塾」講師の皆様
◎福岡県…サカナグミ 代表 本田淑子 氏
◎島根県…フードコーディネーター 西本敦子 氏
◎鳥取県…有限会社ティー・ティーエモーションズ 代表取締役 藤木巧 氏
◎兵庫県…水産庁任命「お魚かたりべ」山嵜清張 氏
◎滋賀県…大阪ガス(株)京滋導管部地域コミュニティ室 北村衣江 氏
◎福井県…越廼漁協 上田十三恵 氏、中野峰子 氏
◎宮城県…塩竈市産業環境部水産振興課 櫻井隆光 氏

「日本さばけるプロジェクト」では、「おいしい以上に知ってほしい海がある」をテーマに2021年度の事業を展開しました。4時間目「海と食のトークセッション」の前半では、このテーマを「日本さばける塾」のプログラムに取り入れ、子どもたちにうまく伝えてくださっている全国7エリアの講師が事例発表をしました。発表の中には、「魚が苦手で触れなかった子どもが、愛着を持って自分の手でさばけるようになった」というエピソードや、「漁獲量が日本一の魚をさばいて、子どもたちに地域の海に親しみと誇りを持ってもらった」という工夫の紹介がありました。
また、4時間目の後半では、昨年実施した「海と食の意識調査」の結果をご紹介しながら、スタジオゲストのお二人と一緒に「未来へ引き継いでいきたい海の食文化」について語り合いました。
釣りメディア「ツッテ」の運営を行っている中川めぐみさんは、「コロナ禍で釣り人口が伸びている。海に親しむ人が増えて嬉しい状況である一方、釣りのマナーは初心者には分かりにくい部分があるため、情報発信していきたい」と今後の抱負を述べました。また、鮮魚店「sakana bacca豪徳寺」店長の岡部さんは「日本近海には数千種類の魚が生育しているが、実際によく食べられているのは20種類程度しかない。魚屋として多種多様な魚を扱っていくことで、もっと豊かな海の食文化を伝えていきたい」と語りました。

参加者の声(Youtubeコメントより)

・こちらの動画を見ていると魚をさばきたくなる
・わかりやすい!!!魚さばいてみたいかも!(やったことないです)
・海、そういえば知らないことばかり。
・学校の教材でつかってほしい。  等