岐阜県

開催日:2025年02月02日

川と海を行き来する県魚「鮎」をさばいて“海の恵み”を知る『日本さばける塾 in 岐阜県』を開催

一般社団法人 海のごちそう推進機構(本部:北海道函館市、代表理事:若山豪)と一般社団法人海と日本プロジェクト岐阜(事務局:岐阜市橋本町、代表理事:玉田和浩)は、魚を実際にさばくこと、地域の海洋変化や魚種の変遷を学ぶこと、さらに「海を味わう十の技法」による調理体験など、日本の豊かな海の食文化を継承し、輪を広げる取り組み「日本さばける塾 in 岐阜県」を2月2日(日)に開催し、午前の部・午後の部あわせて8組16名の小中学生とその保護者が参加しました。このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

「日本さばける塾 in 岐阜県」イベント概要

・開催概要
魚を実際にさばくこと、地域の海洋変化や魚種の変遷を学ぶこと、さらに「海を味わう十の技法」による調理体験など、日本の豊かな海の食文化を継承し、輪を広げるイベントとして、以下の取り組みを実施しました。

<海を味わう十の技法について>
2013年にユネスコの無形文化遺産となった「和食」。その調理法として定義されるのが、
「切る」「煮る」「焼く」「揚げる」「蒸す」という「和食五法」。
これに海の恵みと向き合うために培ってきた、「締める」「醸す」「干す」「燻す」「漬ける」の調理技法を加えたもの。それが「海の味わう十の技法」です。

1.鮎の生涯から岐阜県の山・川と海とのつながりを学ぶ
2.鮎のさばき体験・調理実習
3.調理したものの試食    以上実施

・日程:2025年2月2日(日)午前の部 10時00分~12時00分
            午後の部    13時30分~15時30分
・開催場所:食べる水族館 魚ぎ(所在地 〒500-8835  岐阜市玉宮町1-13)
・参加人数:8組16名(小中学生とその保護者)
・講師:食べる水族館 魚ぎ 店主 内藤彰俊さん
・主催:一般社団法人 海と日本プロジェクト岐阜、一般社団法人 海のごちそう推進機構
・共催:⽇本財団 海と⽇本プロジェクト
・協力団体:合資会社魚ぎ

岐阜県の県魚「鮎」をさばく

岐阜県の県魚でもある鮎は、川で生まれたあと生涯の半分を海で過ごします。長良川の鮎は伊勢湾へ下り、また長良川に戻ってくる。鮎にとって「海」と「川」は別物ではなく、境目なくつながっているものです。鮎をさばき、調理し、おいしく味わうことを通して“魚”に興味を持ってもらい、「川を守る=海を守る」ことへの理解と、海なし県「岐阜県」の子どもたちが海の問題を自分事として捉え、解決に向けたアクションを起こすきっかけとなることを目的としました。

鮎を使ったオリジナル郷土料理

1.鮎と岐阜県産しいたけのホイル焼き
三枚おろしにした鮎の身を、岐阜県産しいたけと一緒にホイル焼きにしました。岐阜県の郷土料理
「鶏ちゃん」のタレ(醤油・みそベース)で味付けし、オリジナル郷土料理に仕上げました。

2.鮎だしそうめん
①で調理した鮎の骨から出汁をとり、鮎だしそうめんをつくりました。捨てることの多い骨を料理に使用することで、フードロス削減への気づきにもなりました。

3.鮎の魚田
背開きにした鮎を焼き、田楽味噌をぬって食べました。塩焼きで食べることが多い鮎ですが、味噌をぬって食べるという地元の郷土料理を味わいました。

鮎の生涯から岐阜県の山・川と海のつながりを学ぶ

内藤さんの講義では、鮎は川で生まれ、海でプランクトンを食べながら育ち、また川に遡上して川藻を食べて育つということから、川と海はつながっているということが協調されました。岐阜県には海はないものの、ビニール袋などのごみが川を流れてしまえば、やがて海に集まり、海の魚たちにも被害があるということを伝え、海で起こっている問題を自分ごととして考えるきっかけづくりになりました。また、内藤さんは魚屋としての経験から、近年仕入れている魚種の変化について説明。例として、スルメイカがとれなくなってきていることなどが挙げられ、参加者が地球温暖化などが海に与えている影響について考えました。

参加した子ども・保護者からの声(アンケートより)

<子ども>
⼩学5年⽣⼥⼦「山や川にゴミが流れ、海に流れて魚が食べたり、環境が汚れると魚を食べられなくなる。環境を汚さない、ゴミを出さない、洗剤や油を流さないようにする」

⼩学6年⽣男⼦「海とは関係ないと思っていたけど、川とか海はつながっているから川のゴミ拾いをしたい」

<保護者>
「川の近くに住んでおり、日頃からこどもたちにも川は海につながっているという話をしている。これからも話していきたい。」

「大きな事は出来なくても、山、川にプラスチックを流さない様道端からゴミ拾い、公共交通機関を使う、等 出来る事をする、から始めたいと思います。」