富山県

開催日:2025年10月26日

フクラギをさばいて地域のコミュニティを取り戻そう!「日本さばける塾 in 氷見」を開催しました!

一般社団法人 海のごちそう推進機構と一般社団法人とやまミライラボは、魚を実際にさばくこと、地域の海洋変化や魚種の変遷を学ぶこと、さらに地域の郷土料理に根差した調理体験など、日本の豊かな海の食文化を継承し輪を広げる取組み「日本さばける塾 in 氷見」を10月26日(日)に開催いたしました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

 イベント概要

・開催概要:

  1. 魚を「獲る」 島尾海水浴場で地引網漁を体験
  2. 魚を「さばく」 講師/鮮魚店「弥助」 二塚 勉さん
  3. 郷土料理を「つくる」 地引網で獲れた魚で大漁鍋づくり
  4. 魚の学び講座 講師/東京海洋大学大学院博士課程  大屋 進乃介さん

・日程:2025年10月26日(日)10:00~14:00
・開催場所:島尾海水浴場(氷見市島尾1882)、余川谷営農研修会館(氷見市間島1-45)
・参加人数:45名
・協力団体:新道地区震災復興期成会、新道町内会

島尾海水浴場で伝統的な地引網漁を体験

今回のイベントは、能登半島地震により住み慣れた地域を離れざるをえなくなった氷見市新道地区の住民を対象に実施されました。まずは市内の島尾海水浴場で、伝統的な地引網漁を体験。地元の漁師さんの指導のもと、子どもから大人まで力を合わせて大きな網を陸に引き上げました。この日は特に大漁で、カマス、キス、クロダイ、カワハギ、スズキ、サゴシなど、多彩な魚が次々と水揚げされました。

水揚げされた魚は、「富山のさかなクン」こと東京海洋大学博士課程の大屋進之介さんが解説しました。地元の漁師さんによると、サゴシはこれまで氷見ではあまり見られない魚でしたが、近年の海の変化により水揚げされるようになってきたそうです。「これは何の魚?」と興味津々に質問する子どもたちの姿もあり、氷見の豊かな海の恵みに触れ、学ぶひとときとなりました。

親子でフクラギをさばいてお刺身に調理

続いて余川谷営農研修会館に移動し、魚をさばく体験を行いました。氷見の魚文化と関わりの深いフクラギのさばき方を教えてくれたのは、氷見市で80年続く鮮魚店「弥助」の3代目・二塚勉さん。二塚さんは能登半島地震で被災し、惜しまれながら店を畳まれましたが、現在は市内の宿泊施設で板前として活躍されています。

まずは二塚さんが手本を見せながら、三枚おろしの手順や包丁の使い方などを説明。その後、親子で初めての魚さばきに挑戦しました。最初は恐る恐る包丁を入れていた子どもたちでしたが、二塚さんや保護者、地元の方々のサポートで、無事お刺身を完成させました。また、地引網で獲れた魚は郷土料理の「大漁鍋」に調理されました。

魚の文化やさばく技術を次世代に

フクラギの刺身と大漁鍋が完成したら、みんなで集まって試食の時間です。自分がさばいたフクラギのお刺身を食べて「やわらかいね」「おいしい」という親子の会話が聞こえてきました。最後に、大屋さんがフクラギの特徴や氷見の魚文化について紹介。「魚の文化やさばく技術を次世代に残していってほしい」と参加者にメッセージを送り、子どもたちにさばけるマスターの認定証を授与しました。

魚をとって、さばいて、調理するという一連の流れで、地域の豊かな魚食文化に親しむだけではなく、震災によって離れ離れになった住民同士の交流を深める機会となりました。

参加した子ども・保護者からの声

<子どもの声>

・魚をさばくのは初めてで、思ったよりも難しかったです。家でも機会があれば挑戦してみたいです。

・地引網ではいろんな魚がとれました。見たことのない魚もいて、どんな味がするか気になりました。

<保護者の声>

・息子たちとよく釣りに行きますが、いつも魚をさばくのは妻が担当していました。これからは親子でさばくことにも挑戦してみたいです。