東京都

開催日:2022年03月27日

【日本さばける塾@レストラン】小学生が海の問題&おいしく食べる工夫を学び、フランス料理づくりに挑戦!

【日本さばける塾@レストラン】イベント概要
・開催概要  ”魚をさばく”という日本古来の調理技法を次の世代へ継承するとともに、
       豊かで健全な海を未来に引き継ぐアクションの輪を広げる取り組みとして、
       1時間目:講師による調理実演&お話「おいしく食べて、海の課題を解決する」
       2時間目:参加児童が魚さばきとフランス料理づくりに挑戦
       3時間目:参加児童が接客マナーを教わり、料理を保護者へ提供。親子で試食。
       以上を実施
・開催日程:2022年3月27日(日)10時00分~13時30分
・開催場所:Peace Kitchen TOKYO(東京都港区六本木6-6-15)
・参加人数:児童4名(小学5~6年生)、保護者4名
・講師:Peace Kitchen TOKYO プロジェクトプロデューサー/料理家・地域フードプロデューサー 比嘉 康洋 氏・株式会社Maestranza 三浦 拓真 氏
・主催:日本さばけるプロジェクト実行委員会
・共催:⽇本財団 海と⽇本プロジェクト
・協力団体:株式会社Maestranza

【1時間目 調理実演&お話「おいしく食べて、海の課題を解決しよう】
1時間目は、比嘉先生による調理実演とお話です。そのテーマは「おいしく食べて、海の課題を解決しよう」。比嘉先生は、徳島県から取り寄せたクロダイをさばきながら「実はクロダイは、瀬戸内海の沿岸地方では、牡蠣の稚貝を食べてしまうため”海の厄介者”として扱われています。そんなクロダイですが、実は身がしっかりしていて弾力もあり、きちんと処理をすれば真鯛と同じくらいおいしいんです。」と参加児童に語りかけました。
そして、比嘉先生は参加児童の目の前で、クロダイをさばく上での工夫(鱗を取る際は、袋などをかぶせながら取ると飛び散らない)や、骨や体の仕組みを生かした包丁の入れ方などについて解説、実演しました。参加児童は、丁寧な包丁さばきに見入っていました。また、鱗のしっかりした感触を確かめたり、内臓の匂いをかぎ、驚いていました。

「人間も魚も、体は食べるものでつくられていますね。クロダイは雑食で何でも食べるから体の表面が黒くて、内臓や皮が臭い。岩場に近い所に生息していて、敵から身を護るためにしっかりとした鱗で覆われています。処理するポイントは、鱗や内臓をきれいに取ること。皮面をあぶって、臭みを消しつつ魚本来の旨味を引き出します。」と比嘉先生はお話されました。
広島県の江田島市では、クロダイをおいしく食べる取り組みで、町おこしをしているそうです。厄介者と呼ばれる魚を食材へと生かすことで、海の課題解決とともに町の活性化にもつなげている事例も学びました。

【2時間目 自分で「アジ」をさばき、新たな発見がたくさん!】
2時間目は、参加児童が魚さばきとフランス料理づくりに挑戦します。
まず、アジを3枚おろしにしました。2人ずつ厨房に入り、比嘉先生と三浦先生がマンツーマンサポート。最初は緊張していましたが、1つ1つ工程を進めていくなかで、包丁の使い方に少しずつ慣れていきました。先ほど見たクロダイとアジの鱗のつき方が異なることや、内臓の匂いの違いなど、新たな発見の数々に、緊張を忘れ、夢中になってさばいていました。
骨抜きの工程では、ひとさし指で骨のある所を感じながら1本ずつ引き抜くという細かい作業もあり、集中してアジに向き合う姿もみられました。先生から、包丁の滑らせ方や、魚の表面の水分は臭みにつながるのでしっかりと拭きとること、関節や体の仕組みを知ることでさばきやすくなるなど、多くのアドバイスをもらい、人生初のアジの3枚おろしが完成!喜びと達成感でいっぱいの笑顔が印象的でした。

【フランス料理作りにチャレンジ!接客マナーを教わり、シェフとして料理を提供しました】
本日のメニューは「アジとフルーツのセルクル〜タルタル仕立て〜」と「クロダイと春野菜のパイ包み焼き~ブールブランソース〜」の2品です。
参加児童全員が厨房に入り、まずはアジから調理開始。自分でさばいたアジと、フルーツ、アボガドをひと口サイズにカットし、ソースを絡めて冷蔵庫で冷やします。次に、クロダイを調理します。パイ生地の上にクロダイとソースを乗せ、パイ生地で包み、220℃に設定したオーブンで焼きます。クロダイのパイ包みを焼いている間に、冷やしておいたアジを、セルクル(型)で形どり野菜を盛り付け、自分流にソースかけて1品完成です。そうしているうちに、こんがり焼けたクロダイのパイ包み焼きが、レストラン全体にとてもいいにおいを漂わせます。こちらも春野菜を盛り付け、できあがり!小学生シェフたちによる、素敵なフランス料理2品がそろいました。

3時間目は、三浦先生からレストランでの接客マナーを教わり、自分たちでテーブルのセットをし、保護者へ飲み物を提供。そして、「アジとフルーツのセルクル〜タルタル仕立て〜でございます」と言いながら、自分で作った料理を保護者のテーブルへ運びました。その姿は立派なフランス料理のシェフです。
試食した保護者からは、我が子の手作りフランス料理は格別な味だったとの声が。いつもは客として訪れるレストランで食材を生かす工夫を学び、海のことを考えながら調理をするなど、普段では経験できない貴重な体験となりました。

参加児童の声(アンケートより)
・⼩学6年生⼥⼦
「料理だけでなく海について興味を持ちました。海は環境問題に直接影響を及ぼすのだと分かりました。」
・⼩学6年生男子
「初めて魚をさばいて、とても難しく感じたけど、さばくのは楽しかったです。」
・⼩学5年生⼥⼦
「完璧にはできないけど、魚をさばけるようになって良かったです。フランス料理、おいしかったです。
セルクルを買ってもらって家でも作りたいです。」
・⼩学5年生男子
「魚は将来のために必要なものだと思いました。僕も、魚を食べ、健康になりたいと思います。」

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日本さばける塾は、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

海と日本プロジェクトについて、くわしくはこちら⇒ https://uminohi.jp/